はじめに
↑2019年9月時点での私のアクアポニックスシステム。
3年ほど前にアクアポニックスを知り、「これは面白い!」と思い実家の玄関脇に装置を自作しました。
まだまだ日本国内におけるアクアポニックスの認知度は低く、DIY事例を公開されている方も少ない中で手さぐりでいくつかの試作品を作り改良を重ね、2年ほど前にようやく納得のいくものが完成し、現在も好調に稼働しています。
昨年からは、親戚農家から栽培のレクチャーを受けながら(私自身、家庭菜園すらしたことが無い素人なので)、アクアポニックスと実物(みもの)栽培の相性を検証したりしています。
プラ舟
強度を考え、野菜ベッドと魚タンクにはプラ舟を使っています。
サイズは、野菜ベッドが47cm×60cm×20cm、魚タンクには60cm×90cm×22cm。もっとコンパクトなシステムにするのなら、ホームセンターに売っているプラスチックのコンテナとかでも大丈夫だと思います。 さらに大型化を目指すのなら、魚タンクに大型のFRP水槽やIBCコンテナ、また中古の浴槽を使ったりもします。
魚タンクに比べて野菜ベッドが極端に大きいと、野菜ベッド側が満水になる時に魚タンクの水量が大幅に減り、魚へのストレスが大きくなります。
私のシステムでも野菜ベッドが満水になるタイミングで、魚タンクは目測1cmくらい減っています。
水中ポンプ
魚タンクから野菜ベッドへ水を運ぶために水中ポンプは必須です(屋外設置派は屋外コンセントも)。
私はエーハイムの1000番を使っています。エーハイムの水中ポンプは300や600も持っているのですが、少し高い場所まで水を揚げようと思った時に不安なので、1000を常用しています。
ポンプにはそれぞれ最大揚程というものが設定されているので、よく調べてから買ってください。(西日本、東日本で電源の周波数が違うのでそこも注意です)
サイフォン
最重要パーツであるサイフォン。
※サイフォンについては「おうち菜園さん」の動画がわかりやすいです→ https://www.youtube.com/watch?v=sODG2miEJ3k&t=40s
私は排水パイプは径20を使用し、サイフォンパイプにはペットボトルを採用しています。
排水口
野菜ベッドからの排水口には、ホームセンターの塩ビパイプコーナーに売っているこの部品を使っています↓
このネジ状の部分を、電動ドリルで穴を開けた野菜ベッドの底部分に取り付けています。
黒いパッキンは、同じくホームセンターのトイレ補修コーナーに売っています。
※このへんの作業はあくまで我流なので強度の保証はできません。
水漏れしたら大変なので、よーく調べて慎重に作業してください。
ハイドロボール
私も園芸店や100均のものなど色々試しましたが、グラム単価が最も安く、高品質で頑丈で浮いてこないので、ハイドロボールはおうち菜園さんのものが一番かなぁと思います。↓
https://aquaponics-onlinestore.com/?mode=cate&cbid=2383970&csid=0
特にこの、「浮いてこない」というのがけっこう重要。
ハイドロボールが浮くタイプだと、植物の根をしっかり支えることができなくて、大きな実をつける野菜や果物を栽培する時には不安です。
おうち菜園さんのハイドロボールはとても高品質で、全く浮いてきません。
ただ少し量が多いので(20kg)、お試しで小さなシステムから始めてみたい方は園芸店の水耕栽培コーナーに売っているハイドロボールから始めてください。
ヒーター(冬場のみ)
昨年からヒーターを導入するようにしました。
魚の飼育の知識がある方なら冬眠状態にしたりするのかもしれませんが、私にはそんなもの無いので、ヒーターで20℃以上を保ち、真冬でも魚にエサを与えています。
サーモスタット付きが断然おすすめで、私は寿工芸さんのものを愛用しています。
少し高いのですが、安心感があるのでオススメです。
水温計もあったほうがいいのですが、精度のいいものを使わないとあまり意味がないかもしれません。
魚タンクの魚
2019年9月現在、錦鯉(25~30cm)を4匹で運用しています。
が、あまり魚体が大きくなってくると水が汚れやすいのと狭くて泳ぎづらそうなので、20cmを4~5匹運用くらいがベストなんじゃないかなぁと思います。
初期は20cmくらいの鯉が2匹でしたが、それだとレタスはなんとか育つけれども色が薄く、栄養不足気味でした。
鯉はとにかくタフなので、私と同じような環境でアクアポニックスをやる方にはおすすめします。
食べチョクで極甘フルーツをお取り寄せするあとは金魚もいいみたいです。鯉ほどではないけどタフだし、ほどよく水を汚してくれます。
最近ではチョウザメも育てやすくて良いと聞くので、もっと情報が出てきてから設備を増強して導入したいです。
アクアポニックスの本場、ハワイなどではティラピアがよく使われていて、私も2年前にネットショップで購入して魚ベッドに放ったのですが、温度管理に失敗し、死なせてしまいました・・。
強靭さ・雑食性・繁殖力。すべてにおいて優秀なので、海外のアクアポニックス動画を観ていると大抵、魚タンクにはティラピアが泳いでいます。
ティラピアをよく食べる国だと、勝手に増殖して大きくなったティラピアをそこそこの値段でレストラン等が買い取ってくれるのだとか。
配置
ブロックを積み上げて高低差を作ったうえで、横並び(前後)にレイアウト。
設置場所は実家の玄関脇で、雨や日差しがかかりにくい軒下に魚タンクを置き、野菜ベッドにはなるべく日光が当たるように前面にせり出すようにレイアウトしています。
また、設置した場所が微妙に傾いていたので(玄関前の縁石なので、排水のためにわざと角度がついているのだと思います)、野菜ベッドが水平になるように高さを調整。
日々の作業
水の補充
蒸発したり、植物が吸い上げたりした分の水は補充します。
私のシステムで、「2日に一回、片手で持てるサイズのバケツ一杯分」を補充しています。時期によって頻度も変わり、たとえば夏にメロンを栽培していた時には毎日バケツ1杯分補充していましたし、厳寒期にヒーターを入れると水の蒸発量が多くなるので、やはり同じような頻度になります。
水道水にはカルキが入っているので、カルキを抜くために一晩バケツに水を溜めて放置しておきます。
補充は魚タンクでもいいですし、野菜ベッドへ注いでしまってもどっちでも構いません。
鯉のエサやり
エサやりは大事な作業です。
といっても鯉は2、3日何も与えなくても全く問題ありませんし死にません。
むしろ与えすぎると水も汚れやすくなって死にます。
エサについては、鯉のエサではなくドッグフードを与えています。
鯉の専門家からは怒られるかもしれませんが、安くてひととおり入っているのでドッグフードで十分かなと思っています。
おわりに
いかがだったでしょうか?
塩ビパイプの径やサイフォン作りの穴あけ工程など、細かいところは省略してしまってますが、ざっとこんな感じです。
アクアポニックスは難しいと思っている方も多いのですが、実はとてもシンプル。
だからレイアウトも使う部品も自由自在です。
「アクアポニックスって何?」という方は、おうち菜園さん https://aquaponics.co.jp/
のサイトが、やはりアクアポニックス専門にされているだけあってわかりやすいので一読されることをオススメします♪